健康食品を食べるのをやめれば健康になれる―That sugar film-甘くない砂糖の話の感想

「スーパーから砂糖入りの商品をなくしたら商品の8割がなくなってしまう」というのは衝撃だ。しかし、わたしたしは普段から接している食料品がそれくらい砂糖にまみれていることを知らない。

なぜなら、砂糖が含まれているのは砂糖やジャンクフードだけではないからだ。おどろくことに、市販のパスタソースや、カレーのルウ、健康食品、シリアル、さまざまなものに砂糖が含まれている。

つまり、甘くないものにまで大量の砂糖が入っているのだ。

脂肪か砂糖か

人類は20世紀に入ってから突然太りだし、肥満が原因で亡くなる人が増えはじめた。そして、わたしたちが太るその原因として砂糖と脂肪の2つに容疑が向けられた。ご存じの通り、結果は脂肪が悪者になり、砂糖はなぜか無罪になった。

いや、それだけではない。それどころか、低脂肪を謳った新商品たちの穴埋めとして砂糖が好まれるようになったのだ。もちろん、その結果として人々の健康状態が改善することはなかった。今では、餓死で亡くなる人より食べ過ぎが原因で亡くなる人の方が多いくらいだ。

平均的なオーストリア人の砂糖の摂取量は1日にティースプーン40杯だという。つまり角砂糖40個分だ。

これを1日で食べているなんてとても信じられないかもしれないが、世の中に存在する加工食品のほとんどに砂糖が含まれていることを知ると、それも不思議ではなくなる。

なぜなら、朝食に食べる低脂肪のヨーグルトと市販のシリアルがあればそれだけでその半分の量を達成できるからだ。それに加えて加糖のアイスティーがあれば更に余分に糖分を摂取できる。

健康食品だけで大量の砂糖を摂取できる


この映画の主演であり被験者であるDamonn-デイモンは、60日間毎日ティースプーン40杯の糖分を取り自分の身体がどう変化していくのかを身をもって実験してくれる。

彼には妊娠中の奥さんがいて、奥さんは彼の健康とメンタルの変化をとても心配していたが、この危険な、普通の人たちが毎日行っている、生活に挑んだ。

実験前の彼は健康体で、良質な脂肪をとり、アボカドやナッツなどを好んで食べていた。奥さんも料理上手だったため、毎日の料理は非常に高品質なものだっただろう。

そのため初めは食生活の変化にとても苦労することが予想されていたが、意外と簡単に1日の目標を達成できることに気づいた。

なぜなら、スーパーに売っているあらゆる食品には砂糖が含まれており、健康食品だけ食べていてもこの簡単にノルマを達成できるからだ。驚くことに、この実験を成功させるためにジャンクフードは不要だった。

世に溢れる健康食品には大量の砂糖が含まれていることを多くの人は知らない。冷静に考えれば、甘い健康食品が健康な訳がないのだが、それでも広告文に載っている通りにわたしたちはそれが健康であると信じている。

そして低脂肪の食品は糖分が多く満腹になりにくい。アボカドやナッツ類の良質な油を取るのと、健康食品に入っている砂糖によって同じカロリーを摂取するのではまるで違う。

実際、彼の摂取カロリーは実験前と変わらなかったにも関わらず、体重が大きく増えていった。カロリーの摂取源が健康的な脂肪から、糖分の高い食品になったからだ。

果物とフルーツジュースは何が違うか?


果物とフルーツジュースを同じものだと思っている人も多いかもしれないが、これには明確な違いがある。

例えば、リンゴは糖だけではなく身体に必要な食物繊維も含んでおり、1個のリンゴでわたしたちは満腹になることができる。

しかし、これをジュースにすると、食物繊維や他の栄養素を捨てて、糖分だけを補給できる。それも、普通にリンゴを食べれば1個で満足なのに対して、糖分だけをとれるジュースにするとリンゴ4つ分(コップ1杯)でも余裕で飲み干すことができるため、過剰に摂取することが容易になってしまうのだ。

それだけではない。食物繊維は糖の吸収を緩やかにして、急激な血糖値の上昇を防いでくれる効果を持つ。いや、防いでくれるというよりは、自然界ではこれが自然なのだ。あらゆる果物や野菜には食物繊維が含まれているから、健全なエネルギー補給ができる。

しかしながら、生成された砂糖は食物繊維を含まないから、ダイレクトに身体にダメージを与えてしまう。砂糖菓子はエネルギー源として適さないが、バナナがエネルギー源として適しているのはこれが理由だ。

砂糖とメンタル


砂糖を取ると45分くらいは元気になるが、そのあとは気分がぼんやりしてくる。そしてまた砂糖が欲しくなるものだ。一時的に興奮し、すぐに気分が落ち込む。これは糖分によって血糖値が急激に上昇するためだ。

砂糖は「気分を良くしてくれる」魔法の粉ではない。砂糖は「食べた直後の気分を向上させまた急降下させる」ものなのだ。たしかに気分が良くなるが長続きしない。そして急降下した気分を補うために、また甘いものが欲しくなる。

さらに砂糖は本来はエネルギーとして燃やすことができる糖質を脂肪として吸収させる働きがあるので、いくら食べてもエネルギーにならず腹に脂肪がたまっていき、腹に脂肪がたまっていくのに空腹という状況を作り出す。

これによってエネルギー不足なのに太るという不思議な現象が起こるわけだ。実際、太っているのに、たくさん食べているのにすぐにヘロヘロになる人は少なくない。

そしてこの上下は人を元気な状態とうつ状態の間を往復させるので、メンタルに非常に悪い。精神的な問題のせいで自分が精神を病んでいると思い精神科に通っていたが、実はその原因は毎日砂糖を摂取しているからで、砂糖を取るのをやめたら元気になったという話まであるほどだ。

そういった生理的な現象をメンタルのせいだと思い込む人は多く、残念なことに医者にまで多い(医者が栄養学を学んでいないことはよくある)が、この砂糖の働きを甘く見ない方がいい。

甘くない砂糖の話


さて、彼が砂糖を取り続けることによってどのように変化したのか、そして砂糖はどのように人を変えるのか、それは実際にこの映画を見て確かめて欲しい。

健康食品を食べるよりじゃがいもやブロッコリーを食べた方が健康になれるということがわかってからが、わたしたちの健康に対する本当の知識の始まりだ。

NETFLIX :甘くない砂糖の話

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